赤が好き
感情的な赤が
情熱的な赤が
赤が好き
何色が好き?
「何色が好き?」
「は?」
唐突に尋ねたのはまずかったか。サスケがちょっと目を開く。
「いや、だから色。」
「急だなオイ。まぁ…オレは白が好きだな。」
以外にも即答。こういう気まぐれには馴れたって顔がなんかムカツク。
「ふぅ〜ん、なんで?」
「…あんたみたいだからだ。」
聞いてるこっちが恥ずかしくなるような陳腐なセリフ。
「うっあ〜、マセガキぃ〜!」
「うっせー、そういうあんたは何色が好きなんだよ?」
ちょっと腕組をして考える。頭に過ぎる色。
「赤…かなぁ?」
サスケはこれまた目を開く。
「あんたらしくねぇ」
「そう?」
サスケは驚いた後、眉間に皺をよせた。
「まぁらしいといえばらしいけど。あんた血が好きだもんな。」
「なんですと〜?人を快楽殺人者みたいに。心外だわ。」
おねぇ言葉でそういうとさらに皺を深くしたサスケがぼそりといった。
「オレのことはどーでもいいのかよ…」
「え?」
「オレはどっちかっつーと黒っぽいだろ!?」
「うん、まぁ外見的には。」
「そーいうこと!」
ははぁ、そういうことかぁ。オレはちょっとにやりとしてしまった。
サスケは自分が黒だと思ってるのか。
「なに笑ってんだよ!」
「べっつに〜♪」
ちゅっと鼻の頭に犬にするみたいにキスしてやるとサスケは真っ赤になった。
そう、それだよ。
感情的な君。情熱的な君。
可愛いくせに原色系。
白い色なんて簡単に極彩色に染め上げる。
サスケは自分が赤だなんて気づいてないみたいだけど、
いつかは言ってあげようか。
「君の赤で染め抜いて。」